「山を愛する方々へ(その2)」
和かな日差しが嬉しい、山々の残雪や新緑が恋しい季節になりました。
自身の山行姿を瞼に描きつつ長い我慢の日々を過ごした方も多いことでしょう。
「十分に耐えた。もう良いだろう」との思いもおありでしょう。
ただ、新型コロナ感染症は変異ウイルスの出現という新しいステージに入り、
屋外における感染も指摘されるようになりました。
医療体制のひっ迫から通常医療が阻害される状況は都会だけでなく、
地方においても外傷等の救急搬送が断られる場面が増えています。
登山中の事故や発病で、従来ならヘリ搬送が可能な場合でも、
受け入れ先が見つからず搬送できない事態もあり得ます。
従来以上に慎重な行動をお願いいたします。
なお、本HPで示しております登山者向け、山小屋向けの指針はそれぞれ全体で一です。
都合に合わせ、一部のみを切り取って使用するのはお止めください。
お願いいたします。
自身の山行姿を瞼に描きつつ長い我慢の日々を過ごした方も多いことでしょう。
「十分に耐えた。もう良いだろう」との思いもおありでしょう。
ただ、新型コロナ感染症は変異ウイルスの出現という新しいステージに入り、
屋外における感染も指摘されるようになりました。
医療体制のひっ迫から通常医療が阻害される状況は都会だけでなく、
地方においても外傷等の救急搬送が断られる場面が増えています。
登山中の事故や発病で、従来ならヘリ搬送が可能な場合でも、
受け入れ先が見つからず搬送できない事態もあり得ます。
従来以上に慎重な行動をお願いいたします。
なお、本HPで示しております登山者向け、山小屋向けの指針はそれぞれ全体で一です。
都合に合わせ、一部のみを切り取って使用するのはお止めください。
お願いいたします。
(2021.04.27更新 元代表理事・臼杵尚志)
・・・続きと、登山に関する新型コロナ感染対策については ≫こちら≪
登山者・山小屋関係者の皆様へ/登山者の方々へ「新型コロナウイルス感染防止と登山について」/山小屋関係者の皆様へ「新型コロナウイルス感染-山小屋における対応の目安」
「山の日に寄せて」
8月11日(木曜日)は、「山の日」です。国民の祝日として2014年に制定され、2016年から施行されました。「山の日」は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という趣旨の国民の祝日です。
平成28年の社会生活基本調査によると15歳以上の登山・ハイキングの行動者は、972万7千人です。行動率は、9%です。国民(15歳以上の)の約一割の方々が、年に1回は、登山やハイキングに親しんだことが分かります。年齢層を見ると50歳以上の方々がとても多い傾向にあります。
さて、イギリスの登山家ジョージ・マロリーが口にしたと伝わる「なぜ、山に登るのか。そこに山があるから」は、あまりにも有名なフレーズです。1923年3月18日のニューヨーク・タイムズに載った記事の中で「なぜ、あなたはエベレストに登りたいのですか」という質問に「Because it's there」と答えたことに始まる伝説的な格言です。 本来の意図はどうあれ、格言は様々な解釈を伴って広がっていきます。自由な発想が許されるのであれば、「なぜ、登るのか〜」という質問に対する私なりの解釈を述べさせていただきます。
この質問をした方は、山に登ったことがない方との立場で進めます。山に登ったことがあれば、「山が好きだから」や「健康づくりのため」など、それぞれがそれぞれの答えを持ち合わせています。例えば、若い頃に登山をしていたが仕事が忙しくて久しく登っていなかった。定年退職を機に時間ができたので登ったとします。目的は、再チャレンジです。その昔に見た風景を思い出しながらの登山は、格別の懐かしさと同時に呼吸数の増加や心拍数の上昇などの体力の衰えを感じさせてくれたりもします。しかしながら、下山した時の爽快感、達成感は、当時と同じでしょう。
他のことは忘れがちですが、山に登った記憶は、意外にもしっかり覚えていることに気付きます。そして、その時に見た風景をもう一度心の中で確認することができるぐらいに鮮明に語ることができるから不思議です。
「なぜ、山に登るのか〜」の答えは、様々です。1つの答えを得ることがこの問いの目的ではありませんね。自らが、山に登れば自らの答えを幾つも出すことができます。自らのチャレンジから答えを引き出す機会として「山の日」を活用してみませんか。山に親しむ機会と時間を「山の日」は用意して待っています。山に登ればその答えを自らの言葉で発信することができます。山の恩恵とは、そういうものであると考えています。
平成28年の社会生活基本調査によると15歳以上の登山・ハイキングの行動者は、972万7千人です。行動率は、9%です。国民(15歳以上の)の約一割の方々が、年に1回は、登山やハイキングに親しんだことが分かります。年齢層を見ると50歳以上の方々がとても多い傾向にあります。
さて、イギリスの登山家ジョージ・マロリーが口にしたと伝わる「なぜ、山に登るのか。そこに山があるから」は、あまりにも有名なフレーズです。1923年3月18日のニューヨーク・タイムズに載った記事の中で「なぜ、あなたはエベレストに登りたいのですか」という質問に「Because it's there」と答えたことに始まる伝説的な格言です。 本来の意図はどうあれ、格言は様々な解釈を伴って広がっていきます。自由な発想が許されるのであれば、「なぜ、登るのか〜」という質問に対する私なりの解釈を述べさせていただきます。
この質問をした方は、山に登ったことがない方との立場で進めます。山に登ったことがあれば、「山が好きだから」や「健康づくりのため」など、それぞれがそれぞれの答えを持ち合わせています。例えば、若い頃に登山をしていたが仕事が忙しくて久しく登っていなかった。定年退職を機に時間ができたので登ったとします。目的は、再チャレンジです。その昔に見た風景を思い出しながらの登山は、格別の懐かしさと同時に呼吸数の増加や心拍数の上昇などの体力の衰えを感じさせてくれたりもします。しかしながら、下山した時の爽快感、達成感は、当時と同じでしょう。
他のことは忘れがちですが、山に登った記憶は、意外にもしっかり覚えていることに気付きます。そして、その時に見た風景をもう一度心の中で確認することができるぐらいに鮮明に語ることができるから不思議です。
「なぜ、山に登るのか〜」の答えは、様々です。1つの答えを得ることがこの問いの目的ではありませんね。自らが、山に登れば自らの答えを幾つも出すことができます。自らのチャレンジから答えを引き出す機会として「山の日」を活用してみませんか。山に親しむ機会と時間を「山の日」は用意して待っています。山に登ればその答えを自らの言葉で発信することができます。山の恩恵とは、そういうものであると考えています。
(2022.08.09 日本登山医学会 代表理事・小野寺 昇)
更に以前の記事については ≫こちら≪
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